OB・OGの皆様、こんにちは。2月6日ゼミ大発表会・個人テーマ「バレエ」の報告をさせていただきます。今回のゼミでは、一年間の個人発表を通して、「くるみ割り人形」や「白鳥の湖」など数多くのバレエ作品をテーマに取り上げ、ディベートを重ねてきて今まで1度と触れる機会がなかなかなかった、バレエ作品「コッペリア」について考察を深めていくことを目的とし、バレエ作品「コッペリア」はE.T.Aホフマンの「砂男」が原作となっているが、原作とバレエ作品では舞台となる国、作風、内容も大きく異なる理由としてコッペリアの初演(1870年)が上演されたフランスは当時、普仏戦争の真っ只中の時代であったため、敵国であるドイツを舞台にしたバレエはパリの観客達に受け入れられないという政治的背景がバレエ作品にも影響を及ぼしたのではないかと主張し、ディベートをおこないました。まずBBSの質問として「そもそも当時敵国であったドイツが舞台の作品を原作として選んだのは何故だろうか?それだけホフマンが「砂男」に魅力を感じていたということだろうか?」という問いに発表者側は「ホフマンは「砂男」の作者であるので、ホフマン自体が「砂男」に魅力を感じてバレエ作品にしたわけではない。コッペリアは動く人形を題材にしたバレエ作品であるので、動く人形がメインで登場する「砂男」の設定を採用し、バレエ用に内容を変更し、当時の政治的な事情からドイツからポーランドに変更したのではないかと考えた」と答えました。次に「考察にポーランドを舞台に変えた理由として「東欧への興味」とあるのだが、東欧というだけであればポーランド以外にも舞台として選んでも良い国は他にあると感じたのだが、ポーランドでなければならなかった理由などはあるのだろうか?」という質問に対して発表者側は「舞台がポーランドでなければならなかった、という確固たる文献などは見つけられなかったが、私個人の考察では、世界地図を見ると左からフランス、ドイツ、ポーランドと続いて国が並んでいる。ドイツと戦争中のフランスはドイツより先の東方面に行くことは難しかった為、行ったことのない未知の東欧ということで、1番身近なポーランドに舞台が設定されたのではないかと考える。またポーランドはドイツに領地として占領されていたりなど、同じくドイツからの攻撃や迫害を受けていた国同士であるので、ポーランドはドイツから占領されていて服従しなければならないという前提があるが、同じドイツへの対抗心はあったものと考え、仲間意識というと語弊が生じる可能性もあるが、そのような背景もあったのではないかと思った」と答えました。ディベート中に出てきたフロア側の質問として「舞台としてポーランドが受け入れられたのは東欧への興味とドイツの占領下にあったというポーランドに対する哀れみがあったからか?」という問いに対して発表者側は「「コッペリア」は喜劇で娯楽に近いバレエ作品でポーランドから見てもフランスから見てもドイツを同じく敵国としているため受け入れられた」と答えました。また「「コッペリア」の原作「砂男」の作者であるホフマンは「くるみ割り人形」の原作者でもあるとのことだった。ロマンティック・バレエの特徴でもある現実と幻想の入り混じった世界観を描く作家としても知られているので、もともとホフマンはバレエを製作する側に注目されていたと考えられる。しかしそれと同時にホフマンはサイコティックな作品を描く事でも知られている。なので、時代背景ももちろん考慮した上でのコッペリアの作品内容だと思うが、もともと"人形に恋をしてしまう"という事以外はバレエを観に来る方のために変えるつもりだったのではないかと思った」という意見に対して発表者側は「「コッペリア」は1870年発表で「くるみ割り人形」は1892年発表であり、「コッペリア」の方が先であるため、バレエのと特徴でもある現実と幻想の入り混じった世界観は類似しているとは思うが、「コッペリア」の際はまだ「くるみ割り人形」は発表されていないため順番的に違う」と反論しました。他の意見としてフロア側からは「「コッペリア」の第1幕はポーランドの農村から始まるそうだが、普仏戦争時代現ポーランドはドイツ帝国の領地でフランスと対峙していたと思う。そう言った点で、政治的背景はあまり関係ないのではないかと考えた」という意見に対して発表者側は「ポーランドはドイツに占領されており、ポーランドにドイツが攻めてきて占領したため、言う事を聞かなければならないが自由がないのはいやであり、それはドイツに同じく占領されているフランスと似ていると考え、政治的背景は関係ある」と反論しました。安達先生からは「ハンガリー、チェコ、スロバキアにとってもドイツは強かった」、「E.T.Aホフマンは、ポーランドにポツンとある唯一のロシア領で生まれた」、「バレエダンサーがロボットダンス(ぜんまい人形的)な動きをするのが初めてあったため、発表者側の主張の歴史的理由よりもこういう理由もあったのではないか。その時代、ホフマン物語というオペラがあり、その中で機械人形的な動き方があり、機械人形的な動きは当時のブーム的なものであったのではないか」、「ホフマン物語はフランス語作品で曲も良く、文学的にも魅力的で世界で最も素敵な作品の一つだと思う」などたくさんのお言葉をいただきました。ディベートの結果、発表者側の勝利となりました。以上でゼミ大発表会 個人テーマ「バレエ」の報告を終わります。
OB・OGの皆様、こんにちは。
2月6日ゼミ大発表会・個人テーマ「バレエ」の報告をさせていただきます。
今回のゼミでは、一年間の個人発表を通して、「くるみ割り人形」や「白鳥の湖」など数多くのバレエ作品をテーマに取り上げ、ディベートを重ねてきて今まで1度と触れる機会がなかなかなかった、バレエ作品「コッペリア」について考察を深めていくことを目的とし、バレエ作品「コッペリア」はE.T.Aホフマンの「砂男」が原作となっているが、原作とバレエ作品では舞台となる国、作風、内容も大きく異なる理由としてコッペリアの初演(1870年)が上演されたフランスは当時、普仏戦争の真っ只中の時代であったため、敵国であるドイツを舞台にしたバレエはパリの観客達に受け入れられないという政治的背景がバレエ作品にも影響を及ぼしたのではないかと主張し、ディベートをおこないました。
まずBBSの質問として「そもそも当時敵国であったドイツが舞台の作品を原作として選んだのは何故だろうか?それだけホフマンが「砂男」に魅力を感じていたということだろうか?」という問いに発表者側は「ホフマンは「砂男」の作者であるので、ホフマン自体が「砂男」に魅力を感じてバレエ作品にしたわけではない。コッペリアは動く人形を題材にしたバレエ作品であるので、動く人形がメインで登場する「砂男」の設定を採用し、バレエ用に内容を変更し、当時の政治的な事情からドイツからポーランドに変更したのではないかと考えた」と答えました。
次に「考察にポーランドを舞台に変えた理由として「東欧への興味」とあるのだが、東欧というだけであればポーランド以外にも舞台として選んでも良い国は他にあると感じたのだが、ポーランドでなければならなかった理由などはあるのだろうか?」という質問に対して発表者側は「舞台がポーランドでなければならなかった、という確固たる文献などは見つけられなかったが、私個人の考察では、世界地図を見ると左からフランス、ドイツ、ポーランドと続いて国が並んでいる。ドイツと戦争中のフランスはドイツより先の東方面に行くことは難しかった為、行ったことのない未知の東欧ということで、1番身近なポーランドに舞台が設定されたのではないかと考える。またポーランドはドイツに領地として占領されていたりなど、同じくドイツからの攻撃や迫害を受けていた国同士であるので、ポーランドはドイツから占領されていて服従しなければならないという前提があるが、同じドイツへの対抗心はあったものと考え、仲間意識というと語弊が生じる可能性もあるが、そのような背景もあったのではないかと思った」と答えました。
ディベート中に出てきたフロア側の質問として「舞台としてポーランドが受け入れられたのは東欧への興味とドイツの占領下にあったというポーランドに対する哀れみがあったからか?」という問いに対して発表者側は「「コッペリア」は喜劇で娯楽に近いバレエ作品でポーランドから見てもフランスから見てもドイツを同じく敵国としているため受け入れられた」と答えました。
また「「コッペリア」の原作「砂男」の作者であるホフマンは「くるみ割り人形」の原作者でもあるとのことだった。ロマンティック・バレエの特徴でもある現実と幻想の入り混じった世界観を描く作家としても知られているので、もともとホフマンはバレエを製作する側に注目されていたと考えられる。しかしそれと同時にホフマンはサイコティックな作品を描く事でも知られている。なので、時代背景ももちろん考慮した上でのコッペリアの作品内容だと思うが、もともと"人形に恋をしてしまう"という事以外はバレエを観に来る方のために変えるつもりだったのではないかと思った」という意見に対して発表者側は「「コッペリア」は1870年発表で「くるみ割り人形」は1892年発表であり、「コッペリア」の方が先であるため、バレエのと特徴でもある現実と幻想の入り混じった世界観は類似しているとは思うが、「コッペリア」の際はまだ「くるみ割り人形」は発表されていないため順番的に違う」と反論しました。
他の意見としてフロア側からは「「コッペリア」の第1幕はポーランドの農村から始まるそうだが、普仏戦争時代現ポーランドはドイツ帝国の領地でフランスと対峙していたと思う。そう言った点で、政治的背景はあまり関係ないのではないかと考えた」という意見に対して発表者側は「ポーランドはドイツに占領されており、ポーランドにドイツが攻めてきて占領したため、言う事を聞かなければならないが自由がないのはいやであり、それはドイツに同じく占領されているフランスと似ていると考え、政治的背景は関係ある」と反論しました。
安達先生からは「ハンガリー、チェコ、スロバキアにとってもドイツは強かった」、「E.T.Aホフマンは、ポーランドにポツンとある唯一のロシア領で生まれた」、「バレエダンサーがロボットダンス(ぜんまい人形的)な動きをするのが初めてあったため、発表者側の主張の歴史的理由よりもこういう理由もあったのではないか。その時代、ホフマン物語というオペラがあり、その中で機械人形的な動き方があり、機械人形的な動きは当時のブーム的なものであったのではないか」、「ホフマン物語はフランス語作品で曲も良く、文学的にも魅力的で世界で最も素敵な作品の一つだと思う」などたくさんのお言葉をいただきました。
ディベートの結果、発表者側の勝利となりました。
以上でゼミ大発表会 個人テーマ「バレエ」の報告を終わります。