OB・OGの皆様、こんにちは。第7回ゼミ 個人テーマ「方言」の司会を担当いたしました中田です。報告が遅くなり申し訳ございません。今回の「方言」の発表では、前回まで11、12世紀を中心に「バイエルン方言における音韻変化(単母音化)」を議論してきましたが時代区分を広げ、『バイエルン方言が単母音の影響を受けなかった原因は、南ドイツがルターのドイツ語に抵抗し、次第に共通ドイツ語の形成の道から遠ざかっていったためであると考える。』という発表者の主張のもと、議論をおこないました。まず、BBSに出た意見に対する反論を行いました。『ルターのドイツ語で書かれた聖書が原因ではなく、そもそもの一般市民の識字率・聖書所持率の低さ、それによる口語に頼った言語の認識が単母音化しなかった原因ではないか』というフロア側の意見には、『他の地域と比べて識字率,聖書所持率は変わらず、それが原因なら他の地域でも単母音化しなかったはずだ』という反論をしました。また、『ルターのドイツ語に抵抗を示し続けたという事実があったとしてもそこまでの影響力はなかっただろう。なぜならルターの書を所持てまきた富裕層は一部だと考えられ、その所持できた富裕層の中でも読み書きができる人は限られると考えたため。そして一般市民となると、さらなる識字率・聖書所持率の低さが考えられ、物事の伝達は口語だったのではないか。それにより話し言葉と書き言葉をない交ぜ共通語を作り上げていった中、南ドイツではもとの話し言葉の方が色濃く残り単母音化を受けなかったのではないか』という考えを持つフロア側の人が多く、それに対して発表者は、『南ドイツの領域だけではなく、ドイツでは方言を話す人が多い。その為、その意見が正しければ他の地域でも多く見られるはずだ』と反論しました。最後に安達先生から、『本や聖書は当時読める人は少なく、特に聖書は高く、最初のルター訳聖書は数百部のみの発行であった。また普及方法は限られており、読み上げられて広がった例が多かった。今回の発表者の主張はルターや聖書を中心であるが、聖書は上記の理由で発行部数が少なく(広まりにくい)、ルターも匿られている身なのであまり出歩かない。また言語の変化が著しい時代であったことや、時代変化も考慮すべきである。仮に聖書がベストセラーになったとしても単母音化に影響を与えるのだろうか?という考えに、その読み上げられた人や環境ににやって副母音や単母音で読む人がいたり、自国の人はそんなに発音を気にしていない(例:日本語では日本人は時計(とけい)をとけ「え」と伸ばす人もいるがあまり気にしない、意味が通る)だろうから影響は与えないのでは?』というアドバイス・お言葉をいただきました。評決の結果、フロア側の勝利となりました。以上で第7回ゼミ 個人テーマ「方言」の報告とさせていただきます。
OB・OGの皆様、こんにちは。第7回ゼミ 個人テーマ「方言」の司会を担当いたしました中田です。
報告が遅くなり申し訳ございません。
今回の「方言」の発表では、前回まで11、12世紀を中心に「バイエルン方言における音韻変化(単母音化)」を議論してきましたが時代区分を広げ、『バイエルン方言が単母音の影響を受けなかった原因は、南ドイツがルターのドイツ語に抵抗し、次第に共通ドイツ語の形成の道から遠ざかっていったためであると考える。』という発表者の主張のもと、議論をおこないました。
まず、BBSに出た意見に対する反論を行いました。
『ルターのドイツ語で書かれた聖書が原因ではなく、そもそもの一般市民の識字率・聖書所持率の低さ、それによる口語に頼った言語の認識が単母音化しなかった原因ではないか』というフロア側の意見には、『他の地域と比べて識字率,聖書所持率は変わらず、それが原因なら他の地域でも単母音化しなかったはずだ』という反論をしました。
また、『ルターのドイツ語に抵抗を示し続けたという事実があったとしてもそこまでの影響力はなかっただろう。なぜならルターの書を所持てまきた富裕層は一部だと考えられ、その所持できた富裕層の中でも読み書きができる人は限られると考えたため。
そして一般市民となると、さらなる識字率・聖書所持率の低さが考えられ、物事の伝達は口語だったのではないか。
それにより話し言葉と書き言葉をない交ぜ共通語を作り上げていった中、南ドイツではもとの話し言葉の方が色濃く残り単母音化を受けなかったのではないか』という考えを持つフロア側の人が多く、それに対して発表者は、『南ドイツの領域だけではなく、ドイツでは方言を話す人が多い。その為、その意見が正しければ他の地域でも多く見られるはずだ』と反論しました。
最後に安達先生から、『本や聖書は当時読める人は少なく、特に聖書は高く、最初のルター訳聖書は数百部のみの発行であった。
また普及方法は限られており、読み上げられて広がった例が多かった。今回の発表者の主張はルターや聖書を中心であるが、聖書は上記の理由で発行部数が少なく(広まりにくい)、ルターも匿られている身なのであまり出歩かない。また言語の変化が著しい時代であったことや、時代変化も考慮すべきである。
仮に聖書がベストセラーになったとしても単母音化に影響を与えるのだろうか?という考えに、その読み上げられた人や環境ににやって副母音や単母音で読む人がいたり、自国の人はそんなに発音を気にしていない(例:日本語では日本人は時計(とけい)をとけ「え」と伸ばす人もいるがあまり気にしない、意味が通る)だろうから影響は与えないのでは?』というアドバイス・お言葉をいただきました。
評決の結果、フロア側の勝利となりました。
以上で第7回ゼミ 個人テーマ「方言」の報告とさせていただきます。